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研究プロジェクト

尾家・塚本研ホームページ > 研究プロジェクト


2011年4月現在

インターネットは1969年に開始されたARPANETが起源といわれておりますが, 1990年代に入ってWWW (World Wide Web)によるホームページや 商用プロバイダ・地域プロバイダの登場と共に急成長を遂げ, 現在は日常生活に欠かせない社会基盤となりました. さらに近い将来,日常生活に使われるありとあらゆる機器 (家電製品なども含む)の インターネット接続が考えられています. 特に,移動・無線通信技術は,インターネットの応用を大きく広げ, いつでもどこでもインターネットに接続できる環境を実現する手段として 提供されつつあります. また,これまでインターネットはデータ通信が主でありましたが, 近年音声や動画像情報の転送も行おうという動きも活発です. つまり,このような複数のメディアを同時に扱う マルチメディアインターネットの構築が望まれてきています. そこで,私たちの研究室では,以上の最近の動向を踏まえ, 以下に示すような無線移動体通信によるインターネット接続や マルチメディアインターネットを構築するための基盤技術に関して 研究を行っています.
 
Wireless Network
  リソース管理手法
  ここ数年で、無線LANが普及し、ノートPCやPDAといった移動端末は無線LANが利用可能な状況になっております。この無線LANに接続する移動端末は、有線ネットワークと接続されているアクセスポイント(AP)と無線を介して接続することでインターネットに接続できます。しかし現状の無線LANでは、数多くの移動端末がある特定のAPに接続される状況が頻繁に発生しており、その際には、快適な通信が行えなくなるという問題があります。そこでこの問題を解決するために,複数のAPを近くに配置して,各APに接続する無線端末の数を偏り無く分散させるような方法を研究しています.この方法が実現すると,無線LANの資源を有効利用できるようになります.また,AP同士を無線で接続する「マルチホップルーティング」という技術も研究しています.この方法が実現すると,災害時など有線の通信網が使えなくなったときでも,迅速にネットワークを作ることができます.
   
  モビリティー管理手法
  利用者が移動しながら通信を行える利便性から、無線通信技術は急速に普及し、現在では無線LANや携帯電話などの様々な技術が利用されています。これらのネットワークは通信速度や伝送遅延、利用範囲などの特性が大きく異なるので、利用者は移動しつつこれらのネットワークを切り替えながら通信を継続する必要があります。しかし、従来のインターネットはネットワークを切り替えを意識して開発されていなかったため、ネットワークを切り替えた際には、性能が大きく劣化することになります。そこで、本研究ではネットワークの切り替えに対応しつつ、途切れのない、性能が劣化しない切り替えを実現する機構について研究を行っております。
 
 
コグニティブ無線通信
  コグニティブ無線通信は、無線通信資源の新たな利活用技術です。周波数資源は、限られた貴重な資源ですが、その多くは、限られた目的のために、割り当てられています。今後、ますますモバイルネットワーク利用が増加する中で、限られた資源を有効に利用するための法整備、利活用技術の研究開発が必要です。現在、総務省においても、2009年12月に「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」を発足させ、検討が開始されています。まさに、これからの研究課題を 多く含んでいます。
そこで、私たちの研究グループでは、車両ネットワークに代表されるアドホックネットワークを対象とした上で、共通の制御チャネルの確立、信頼性あるルーティングプロトコル、エンドツーエンドのトランスポートプロトコル、に関して研究を行っています。
 
 
DTN
  今日無線・移動体通信の発展・普及があげられます.移動中などの通信環境においては通信が断続的であったり, パケットロス率が高いといった劣品質な通信環境が存在します. このような通信環境においては安定した環境を前提とした従来のインターネット技術では通信は困難になります. そこでこのような劣品質な環境においても通信可能なネットワークを実現するために今日 DTN(Delay/Disruption/Disconnection Tolerant Network) といった研究があります.
山間部や宇宙空間,離島から被災地や都会の死角まで,あらゆる場所で情報交換や情報流通の必要があるので, 物理的制約や経済的制約のために従来のインターネットで対応できなかった環境においても通信ができなければなりません. 一般に,非常に通信性能が低く,通信資源の制約が厳しい環境においては,以下のことが必要となります.
・通信誤り(転送失敗) への耐性
・資源利用の効率性
前者には,時間的冗長(様々な種類の再送方式)と,空間的冗長(多重経路転送やErasure Codingなど)が不可欠であり, 後者には,情報圧縮,フロー制御・輻輳制御,Network Coding などが使われます.
しかも,この2つは必ずしも両立するとは限らないため,対応すべき環境条件に応じて最適な組み合せは異なると考えられます. そこで本研究ではその通信環境に応じた技術に関する研究を行っております.
 
 
PLC
  既設の電力線を利用して通信を行う電力線搬送通信(PLC)が注目を浴びています。計測と制御を行う対象である電力線を使って通信を行う為、インフラ設備を最小限に抑えることができます。PLCは大きく分けて高速PLCと低速PLCに分けられます。高速PLCはホームネットワークの実現手段として屋内での使用を想定し、低速PLCは屋内に限定されることのない長距離伝送を目的とした通信を行うことができます。
しかし、PLCの通信性能は電力減衰や他の接続機器によるインピーダンス/ノイズ変動によって大きく劣化します。さらに、特有の送受信メカニズムを利用しているため、このメカニズムを模擬するモジュールをネットワークシュミレータ上に開発し、インピーダンス/ノイズ変動を組み込んだシミュレーションを行っています。
 
 
スマートグリッド
  今後,風力発電や一般家庭で太陽光発電パネルが普及していくものと思われます. 現在電力会社は自社の発電施設の稼働率を電力網で使用されている電力に応じて調整しています. しかし,上記のような発電施設が導入されることによって, 太陽光や風力によって発電された電気が既存の電力網に流れ込み, 電力網の調整が従来の監視方法では困難になると考えられています. 発電能力がその日の天候によって左右されたり, 家庭から電力網へ送り込まれる電力量が変化したりするためです.
そこで,電力会社が家庭で発電された電力量や電力網へ流れ込む電力量をリアルタイムで監視し, 自社管理下にある発電所の稼働率を調整する必要があります. 家庭の電気の発電量や消費量,売電量を記録するための端末をスマートメータといい, スマートメータと電力会社はIT網で接続されます. また,スマートメータは家庭内にある情報家電,電気自動車と連携し, それらの遠隔操作も可能となり,電気の流れが可視化されることで節電意識も高まります. このような,情報技術を取り入れ,高機能化された電力網はスマートグリッドと呼ばれます.
私たちは,スマートグリッドを実現する上で必須となる, スマートメータの通信に関する研究を行っています.
 
 
Transport Protocol
  これまでのインターネットにおいては、トランスポートプロトコルとして主に Transmission Control Protocol (TCP)とUser Datagram Protocol (UDP)の二つが使われてきました。特にTCPは信頼性ある通信を提供可能なため、ウェブやメールなどの主要なアプリケーションで利用されており、今後も利用され続けると予想されます。しかし、これらのプロトコルはこれまでの環境(有線、狭帯域)においてうまく動作するように開発されているため、今後、普及が予想される無線や広帯域な環境での通信時にはその性能を最大限に発揮することができないといった問題が発生します。具体的には無線通信では頻繁にエラーが発生するために、送信量を必要以上に低下させ、それによって性能が劣化するという問題や、ゆっくりと送信量を増加させるTCPの送信制御機構のために、広帯域幅を有効に利用することができないといった問題が分かっております。そこで本研究では、これらの問題を解決することが可能なトランスポートプロトコルに関して研究を行っています。
 
 
Peer to Peer(P2P)
  各計算機がクライアントとサーバの双方の機能を持つことにより,これまでサーバに集中していた負荷を多くの計算機に分散するPeer-to-Peer(P2P)技術に注目が集まっています.この技術は,NapsterやGnutellaのようなファイル共有アプリケーションの出現により広く知られることになりましたが,近年ではスケジュール管理やIP電話サービスなどに幅広く応用されています.しかし,P2P技術により構成されるネットワークでは,そのネットワーク内の情報が多数の計算機により分散管理されているために,「計算機間で負荷に偏りがある」,「目的のデータを発見するまでに多くの時間がかかる」等の問題点があります.この研究室では,これらの問題点を解決し,様々な種類のアプリケーションの要求を満足できる,新しいP2P技術の開発に取り組んでいます.
 
 


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